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Yunit5X RoboCupJunior2017 出場ロボット

ロボット

  • ロボットの正面View
  • ロボット上面のズーム
  • ボールを変則的に蹴り出すことができるデュアルキッカーシステム
  • オリジナル設計のキッカー回路とソレノイド・キャパシタ
  • ボトムフレームに埋め込まれた白線検出用ラインセンサ
  • 設計・パーツ全て完全オリジナルのオムニホイール
  • アルミ板金曲げパーツと電装系の複合パーツ
  • KitMill RD300をフル活用・オムニホイール用パーツ切削の様子
  • STM32マイコンを搭載するロボットのCPU基板・EAGLEで設計
Tada Yusuke
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RoboCupJunior参加3年間の集大成

RoboCupJunior Soccer Open Leagueという競技に出場した,直径22cm重さ2.4kgの自律サッカーロボットです。

ロボットには,競技ボールを検出するセンサの他に,自己位置推定のための超音波距離センサ,床の白線を検出するための光センサ,自分の姿勢を検出するためのジャイロセンサ,及びそれらを管轄しながらロボットにサッカーの動作をさせるようプログラムされたマイクロコントローラが搭載されています。

ロボットの機械系はAutoCADとInventorを,回路系はEAGLE,プログラムはXcodeを用いて開発を行いました。これらメカ,エレキ,ソフトの開発は全て1人で行いました。
振り返ってみると,自律ロボットを構成するだけの知識は膨大で学習コストも高いものでした。同じRoboCupJunior競技で共に切磋琢磨できる仲間の存在は,何よりも大切であったと感じます。

Yunit5Xには,同リーグのロボットには見られない特徴的な機能が搭載されています。
ロボットの正面に搭載されたデュアルキッカーシステムは,左右2つのキッカーを個別に制御することで,ボールに自由自在な挙動を与えることが可能です。
ロボットの前方に搭載されたドリブラーは,3Dプリンタで出力したドラムとシリコンチューブで構成された回転ドラムにより,ボールにバックスピンを掛ける事でサッカー競技におけるドリブルを可能にします。Yunit5Xはドリブラーの回転とデュアルキッカーシステムを組み合わせることで,相手が防ぐことの難しいカーブシュートを打つことができます。ドリブラーは非常に高回転のモータを扱うため,振動を抑制するためのショックアブソーバー(赤いスプリング)が搭載されています。
ロボットの上方に搭載された全方位ビジョンシステムは,自作の双曲線ミラーとカメラモジュールを組み合わせることで,ロボットの全方位に位置するゴールやボールなどの色オブジェクトの角度と距離を検出することが可能になっています。

Yunit5Xを設計するにあたっては,ケーブルや鋭利なフレームがむき出しの構造を避けた美しいフォルムを目指してデザインを行いました。ロボットらしいフレームを表に出しながら,全体的なフォルムを整えたロボットに仕上がっています。
Yunit5Xのデザインは,筆者の所属校の今年の文化祭「産技祭2017」にキービジュアルとして採用されました。パンフレットやポスターでイラストとして描かれたYunit5Xを見ることができます。

その他の機能として,タッチ液晶モジュールを用いたユーザーインターフェイス,ZegBeeによるワイヤレス通信機能なども搭載しており,これらは競技引退後にロボットを無線ラジコン化する際などに役に立ちました。搭載されているデバイスが多いことで,開発の可能性が広がります。

Yunit5Xがアタッカーを担当したチーム“Mavericks”は,国内総合7位とベストプレゼンテーション賞を頂きました。
また,同年名古屋で行われたRoboCup Nagoya 世界大会と同時開催されたWEROB 2017にて,世界中のRoboCupJuniorチームへ向けて英語でのプレゼンテーションを行いました。
特に,Yunit5Xに搭載された全方位ビジョンシステムは,Soccer Open Leagueに参加する世界中の多くのチームから注目を受けました。
Yunit5Xの製作を通して,ロボット製作のための技術的な知識だけでなく,作品を通して世界中の仲間と技術を共有し合い交流するという経験ができました。このロボットは,私のものづくりに対する考え方を大きく変えてくれた一台です。

使用した加工機械
KitMill RD300,Afinia H480,ポケットベンダー
使用部品
各種アルミ板材,CFRP板材,POM(両面フライス),ABSから成るオリジナルパーツ

コメント 2

めちゃすごいハードウエアですね!回路基板が3Dで配置されている点、パズルのようなセンサ基板のはめ込み構造、上部のサスペンション機構が画期的ですね!!!

質問があります。
1. ロボットのフレームの外枠にCFRP以外の素材、内側にCFRPを使われていると思うのですが、外枠の素材は何でしょうか?また、外枠と内側の素材が異なるのは衝撃吸収のためですか?
2.サスペンションを下ではなく上に取り付けているって斬新ですね! 一番上のフレームのサスペンションは全方位カメラの衝撃吸収のためですか?
3. 一番上の全方位カメラとマイコンの収納取り付け筐体がモジュールとして一体化されているのですが、なぜこのような設計を採用されたのでしょうか?

コメントありがとうございます。
1. 外枠の材料を分けた理由
外枠にはCNC削り出しのPOM樹脂パーツを使用しています。主に安全面の理由から,人が外から触れる位置にCFRPの断面をあまり露出させないように設計されています。
また,下半身にはアルミとカーボンの非常に高剛性なフレームが組み込まれていますが,上半身は逆にABS樹脂の柔らかいフレームを使用しています。こちらは衝撃吸収が主な理由です。ABSフレームの中心に回路を搭載することで信頼性を高めています。
2. サスペンション(ショックアブソーバー)
ドリブラーでボールを吸い付けた際に安定させるためのものです。ドラムを回転させた状態でボールに接触させると,衝撃でボールが飛んでしまい安定してドリブルできなかったのが,これで改善されています。
3. 全方位カメラとマイコンの収納取り付け筐体
設計としては,全方位センサの真下にマイコンボードがあります。その周りをABS樹脂のフレームが取り囲んでいるような構造になっており,ゴールバーや相手ロボットとの衝突による衝撃を緩和できるようになっています。
自動車のフロントダンパにPPやABS樹脂が使われていることは知られていますが,このロボットもそれに似たような機能を持たせようとした経緯があります。